開発課による表面処理のサンプル試作【ステンレスの溶接焼けを除去できないか】
顧客のお困りごと
お客様ではステンレスの溶接加工をされており、溶接部に発生する焼け(黒茶色の酸化物)の除去をワイヤブラシでこする等の手作業で行っていました。そこで省力化や加工能力向上のため、科学的にこの「焼け」を除去できないかと相談を受けました。
製品自体が複雑な溶接構造をしており、隙間に手が入らないので、「焼け」取り作業に時間がかかってしまう。
手作業のため、取り残しが発生してしまう。
ブラシで擦っているため、キズが入ってしまう。
サン工業の提案
お客様に溶接の試験片をご用意いただき、「素材はできるだけ荒らさずに溶接の焼けを除去する薬品組成を作れないか?」というミッションのもと、薬品成分の配合や時間、温度などのパラメータを振りながら試作開発を行いまいました。
結果、下記のA、B、C、Dの場合で、A以外は溶接の「焼け」は除去されているものの、BとDは素材の艶が落ちてしまっているので、Cの条件にてサンプル処理を実施することになりました。
また、今回はステンレス材料についての「焼け」の除去試作でしたので、外観の光沢が少し落ちてしまう状況については、電解研磨という表面処理を実施することで解決できる可能性があることもお伝えして対応しました。
担当者の声
サン工業では、めっきだけでなく、電解研磨やアルマイト、ステンレスの不動態化(パッシベーション)、アルミニウムやマグネシウムの化成処理、電解バリ取りなど、めっき以外の表面処理も数多く対応しています。ステンレスの「焼け」取りも、めっき技術ではありませんが、化学を使ってお客様の課題を解決していきます。