快削銅合金への無電解ニッケルめっきの不具合
顧客のお困りごと
快削銅合金へ無電解ニッケルめっきをつけているが、一部無電解ニッケルが析出しない不具合が発生している。めっきが一部付いていない状態で、下地のニッケルめっきしかついていないため、外観上もムラになりNGとなってしまう。
問題点1快削材は切削性向上やキリコを細かくするために快削成分が含まれている。一般的には鉛や硫化物が用いられている。
問題点2鉛は無電解ニッケルとの相性が悪く、めっきに大切な化学反応を止めてしまう働きがあり、鉛が存在すると無電解ニッケルめっきがつかないことが発生する。
問題点3下地をつけているものの、鉛を完全に被覆しきれていないため、点状のめっき未析出個所が発生してしまう。
サン工業の提案
実績のある鉛除去する工程を追加し、無電解ニッケルの反応を阻害する要因を取り除く
ポイント1鉛を除去する工程を追加
解決できたこと(成果)
歩留まりを大きく改善
加工工程の確立
問題解決に関わり提供できる技術等の優位点
快削材料に含まれる快削成分は、めっきの種類によっては害になります。今回の製品は、鉛除去工程処理がないラインだったので、その他の方法で対処していましたが、今回鉛を除去することが最も良い対処であることがわかりました。素材による許容度を持った工程設計ができるようにすることができました。
担当者の声
工程の見直しを開発、品証、製造と力を合わせて対応し、問題解決することができ、胸をなでおろすことができました。社内メンバーの連携に感謝です。