亜鉛ダイカストへの硬質クロムめっき
顧客のお困りごと
亜鉛ダイカストに硬質クロムめっきするところを探していたが、装飾系のニッケルクロムめっきなどは対応できるところがあるものの、硬質クロムは対応してくれるところが無く困っていた。納期的な余裕もないため、素早い量産立ち上げが必要だった。
亜鉛ダイカスト素材は、昔は多くの装飾品や自動車部品に採用されていたが、徐々にアルミダイカストに置き換わってきており、表面処理できるところも少なくなってきている
装飾系のめっきは対応しているところがあるが、工業用硬質クロムめっきは対応できるところがなかった
亜鉛ダイカストは密着不良の発生しやすい材料であり、引っ張り応力の強い硬質クロムめっきを密着よくめっきする必要があった
サン工業の提案
数年前から取り組んできたアルミダイカストへのダイレクト硬質クロムの工程を参考にして、亜鉛ダイカストの前処理工程を確立してめっき処理を行う。
亜鉛ダイカストに適した前処理工程の確立
めっき厚のばらつきによる密着不良を無くすための治具ひっかけ方法の確立
解決できたこと(成果)
サン工業での亜鉛ダイカスト上の硬質クロムめっきの量産実績は無かったものの、いままでのダイカスト系材料の試作、量産実績を参考にして、お客様の望む品質のものを素早く量産化に結び付けることができ、お客様の納期に間に合わせることができた。
問題解決に関わり提供できる技術等の優位点
サン工業の硬質クロムラインでは、半導体製造装置や繊維系加工機械、自動車部品や釣り具、船舶用エンジンのシリンダーやロッドなど様々の業種の様々の素材にめっきしています。特に最近では、軽量化の関係から、アルミニウムやアルミニウムダイカストにダイレクトに硬質クロムめっきをしてほしいという要望も増えてきており、数年前から技術向上に努めてきました。亜鉛ダイカストは鉄や銅とは前工程が大きく違いますが、ダイカストということではアルミ系とも似ているところがあり、今回の依頼に対して迅速に対応することができました。