アルミ材凹部へのクロムめっき付きまわり改善
顧客のお困りごと
アルミニウムの複雑形状部品で、ニッケルめっき後に硬質クロムめっきの処理を他のめっきメーカーで行っていた。しかし製品の凹み部分にクロムめっきが付きまわらず、ニッケルめっき面が黄色に変色してしまうという不良が多発していた。アルミニウムへの硬質クロムめっきで、凹み部分にクロムめっきを付け変色の不良をなくしたい。
アルミニウム材への硬質クロムめっき
問題点2製品凹み部分へのクロムめっきの付きまわり性向上
サン工業の提案
一般的にアルミニウムへの厚付け硬質クロムめっきは無電解めっき下地で実施するが、サン工業では無電解ニッケルめっきの上に電気ニッケルめっきを行いさらに装飾クロムめっきを行う3層めっきとする方法を提案した。
ポイント1クロムめっきの付きやすい電気ニッケルめっきを追加
ポイント2つきまわり性のよいクロムめっきの液濃度管理
解決できたこと(成果)
クロムめっきでのクロムめっきの未着部は茶色の異物付着のように見えることがあるが、無電解ニッケルめっきと装飾クロムめっきの間に電気ニッケルめっきを挟んだ3層めっきとすることで、クロムめっきの付きまわり性が向上し凹部にも装飾クロムめっきをつけることができ変色の不良がなくなった。
問題解決に関わり提供できる技術等の優位点
- 様々なめっきで多層めっきが可能な処理バラエティーの多さ
- つきまわり性のよいクロムめっき液の自社液濃度管理の実施
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担当者の声
クロムめっきは歴史の古い処理ではありますが、めっきコンクールの項目に入っているように難しい処理でもあります。クロムめっきは主に鉄や銅素材に用いられるケースが多いですが、サン工業の場合にはアルミニウム材料に対しても3層めっきとすることでクロムめっきの付きまわり性を向上させた処理を実現することができるようになりました。