環境対応型アルミニウム化成処理
顧客のお困りごと
アルミニウムの化成処理で六価クロムを用いたアロジン処理を行っていたが、RoHS指令の規制で使用できなくなった。そこで、アロジンと同等の耐食性で寸法変化の少ない表面処理を探していた。
問題点1従来の六価クロム処理と同等の化成処理が見つからない
問題点2外観がアロジン1000と同等でなければならない(青色や黄色の外観はNG)
問題点3寸法精度が求められる製品であった
サン工業の提案
有機系防錆剤、三価クロム化成処理(複数の薬品をテスト)、クロムフリー(ジルコニウム)化成処理などを評価した結果、ドイツメーカーの三価クロム化成処理薬品でアロジン処理と同等の耐食性と外観が得られたためこれを客先に提案し量産となった。
ポイント1RoHS指令に適応する三価クロム化成処理で良好な耐食性(MIL-DTL-81706B及びMIL-DTL-5541Fの規格に適合します)
ポイント2六価クロムを用いているアロジン処理と同等の外観が得られた
ポイント3前処理や化成処理で寸法変化が起きない工程を確立した。
解決できたこと(成果)
処理条件をうまく調整することで、アロジン1000と同等の外観を得ることができた。
問題解決に関わり提供できる技術等の優位点
- 六価クロムフリー
- アロジン1000と同等の外観
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担当者の声
この案件はA2017という耐食性の得にくい材料で、しかも耐食性を上げようとして化成処理の時間を延ばすと材料中の銅が表面に出てきて外観を悪くしてしまうというものでした。選定した三価クロム化成処理剤は短時間で高い耐食性を付与することができ、素材寸法を変化させることがありません。カゴ処理のような処理でも対応できるため、微小部品でも安価で耐食性を上げることが可能です。また、塗装下地の密着性向上としても効果が期待できます。