ステンレスの梨地処理とつや消し黒色無電解ニッケルめっき
顧客のお困りごと
光沢のあるステンレス材料の表面をつや消しの黒めっきをして、光の反射を抑えたい。
使用したい部位にかかる温度は200℃~300℃の光学系部品の内部部品で検討している。
めっきでつや消しができるのは、黒クロムとK社の黒色無電解ニッケルめっきしかないが、ともに表面が粉っぽく、こすると跡がついてしまう
使用温度が200℃~300℃なので、亜鉛めっきの三価黒色クロメートは退色してしまって使用できない
黒色無電解ニッケルめっきは高温での使用が可能だが、素材の面粗度の影響を受けるので、光沢材料の場合は光沢の黒色外観になってしまう
サン工業の提案
素材のステンレスを酸エッチングして梨地のつや消しにしておき、その上から、黒色無電解ニッケルめっきを行うことで、無光沢黒色の表面を作ることができました。
ステンレス梨地処理液によって、均一な無光沢外観にエッチングする。
※この梨地材は、ステンレスの溶接ヤケの除去にも使用可能(ただし、光沢感は低下します)
下の写真の左は梨地処理前、右は梨地処理後。
同じ蛍光灯下でも反射が抑えられているのをお分かりいただけると思います。
素材で無光沢梨地の状態が作れれば、ステンレスへのめっきはストライクニッケルめっきを行い、その後、黒色無電解ニッケルめっきを行うことで、無光沢の黒色表面を作ることができました。
写真左:光沢ステンレスにそのまま黒色無電解ニッケルめっき
写真右:梨地処理後に黒色無電解ニッケルめっき
解決できたこと(成果)
素材の梨地処理と合わせて課題解決
めっきだけで無光沢黒色外観を作り出すことは難しく、選択肢も限られてしまうのですが、素材の梨地処理と合わせて実施することで、お客様のご要望にお応えすることができました。
梨地処理した黒色無電解ニッケルめっきで課題解決
明かりの下でも、写真右の梨地処理した黒色無電解ニッケルめっきのものはほとんど光を反射していません。
亜鉛めっきの三価黒色クロメートも黒味だけであれば十分使用に耐えるのですが、光源の近くで高温になる暗箱のような形状では、徐々に亜鉛めっきが剥がれてしまう現象が起きてしまい、使用することができません。
それに対して、黒色無電解ニッケルめっきは、300℃以上になると、やや青みがでてくるものの、十分使用に耐える黒色を維持することができます。
めっきのサンプル・試作についてお気軽にご相談ください。
サン工業ではめっきのご相談をお受けしております。
めっきの開発案件、改善案件など、お客様の課題解決にお役立てください。
*内容によってはお受けできないものもございます。要ご相談にてお願いいたします