窒化処理されたSCM材に対する硬質クロムめっき
顧客のお困りごと
お取引先で材料自体の強度を高めたいためSCM材に窒化処理を行っている。さらに表面の硬度も上げたいため硬質クロムめっきを検討しているが、クロムめっきが付かない、剥がれる、マスキングが必要など課題があった。
窒化皮膜の上にクロムめっきできない
問題点2ハガレや無めっきが発生してしまう
問題点3マスキングが必要
サン工業の提案
クロムめっきが付かない理由は酸処理後の表面に残留するスマット成分だと特定し、めっき工程及びめっき槽でスマット成分を除去する工程を確立した。
ポイント1めっきが付かない原因を徹底調査し特定
ポイント2既存工程を利用し、めっき中の陽極電解をおこなうことでスマットを防止
耐熱800℃の密着性を実現
解決できたこと(成果)
素材自体の強度を窒化処理で高めつつ表面を密着のよい均一な硬質クロムでめっきできたことから、自動車のエンジン成形金型として使用することができる性能を持たせることができた。
問題解決に関わり提供できる技術等の優位点
・難材料へのめっき処理
・分析機器により試作結果を社内で調査しフィードバック
・製造課、開発課、品質保証課で連携して問題解決
担当者の声
当初はまったくめっきができずめっきできてもバリバリに剥がれてしまい、技術的に無理だと諦めかかっていました。しかし、原因が窒化皮膜を酸処理する際に発生するスマットということが判明してからは、工程内でどのように除去できるかを考えて改善をすることができました。この部品にめっきできたことで自動車エンジンを作る金型ができたということですが、我々の乗っている自動車の金型かもしれませんね。