ニッケルめっき密着性改善
顧客のお困りごと
他めっきメーカーでバレルで処理しているニッケルめっき品で、製品成型時の加熱処理によって表面のめっきが小さく剥離(膨れ)不具合が多発して困っている。 加熱処理によるめっき剥離をなくしたい。
問題点1もともと密着の悪い快削用ステンレス素材(酸化皮膜が密着性を阻害してしまう)へのめっきであった
問題点2密着性を上げるため前処理の酸処理を強くすると素材に巣穴があいてしまう
問題点3バレル処理では下地めっきのストライクニッケルめっきの密着性が確保できなかった
サン工業の提案
めっき時の製品の引掛け方法を改善することと、快削用ステンレス素材ということで介在物が多い素材であったため素材に適した前処理工程を提案した。
ポイント1異常部をFIB(収束イオンビーム)という微小領域加工で断面観察し、不具合要因を特定した
ポイント2介在物の多い素材への最適な工程を確立した
ポイント3下地めっきの処理方法改善により導電性確保し、密着性を向上させた
解決できたこと(成果)
お客様の成型時において、加熱処理による歩留まりが20%から大幅に改善された。
問題解決に関わり提供できる技術等の優位点
・要望品質に対する最適なめっき条件の提案
・めっき難素材への表面処理技術
・高度な解析装置を使っての課題解決
担当者の声
職人の勘ではなく、データに基づいた知見と条件出しにより、お客様の歩留まりを大きく削減できました。