伊那商工会議所シンポジウム
- ほんの出来事
伊那商工会議所将来ビジョンシンポジウムが午後2時から伊那商工会議所大ホールで開催されました。
このシンポジウムは私が会頭の立場をいただいた3年前に、伊那市と伊那商工会議所の今後のあり方、姿を模索することを目的に設置した「将来ビジョン特別委員会」による3年間の活動の集大成ともいえるものです。
11年後にリニア新幹線が東京・名古屋間に開通し、長野県には飯田市近郊に駅が出来ることも決まっています。とかく陸の孤島と称されてきた我々にとって、このリニア新幹線の開通は千歳一遇のチャンスであり、観光・商工業・移住定住等様々な方面に経済効果と活性化が期待されるのです。しかしながら、少し残念なことは伊那の市民の皆さんがリニア開通に対する期待値や時代の変化をあまり意識されていないと思われる点が多々見られることです。
確かに11年後のことを今からイメージすることは難しい事ではありますが、開通してから「ああすれば良かった、何でもっと早くから手をつけなかったの?」等の反省や批判をしても後の祭りになってしまいます。なかなか難しい将来の変化とイメージを出来るだけ具体的に創り上げていくことが、今求められていると考え、このシンポジウムを企画したのです。
気をつけなくてはいけないことは、単に経済が発展し多くの人々がこの地に来てもらうことだけに意識を集中してしまうと「それゆけドンドン!」的な開発型の企画が優先してしまうことです。私たちは、この伊那の素晴らしい自然をしっかりと守りながら、その資源を有効に活用し共存する道を見つけ出さねばならないことです。それこそが今私たちに求められている「知恵」なのです。
今回は、こうした目的に相応しい4人のパネリストをお招きして「リニア時代がもたらす伊那市の未来~この地で”攻めるべきもの・守るべきもの”とは~」のテーマでパネルディスカッションを行いました。
白鳥伊那市長さん、伊那の商店街に県外から来られ自然派志向のお店を運営されている女性経営者の平賀さん、若手の代表として地元ケーブルテレビジョンの社長の向山さん、そしてヘブンスそのはらでスターウオッチングの仕掛け人であり今は伊那市観光㈱の専務としても活躍されている白澤さんという、願ってもない4人のメンバーによるパネルディスカッションは、1時間という限られた時間の中ではありましたが、内容の濃い意見交換が出来たのではないかと思っています。
パネルディスカッションに先んじて行われたお2方による基調講演~「リニア開通が及ぼす伊那市の影響について」長野経済研究所 調査部長代理兼定石研究員の中村雅展氏と「伊那市の自然環境から活用すべきものとは」信州大学農学部 助教 三木敦朗氏によるご講演も、正しく今回我々が望んだ意向に沿ったご示唆を多くご教授頂けた、内容の濃いご講演だったのも幸いでした。
いずれにいたしましても150名もの多くの市民の皆様が参加され熱心にご聴講いただいたことを嬉しく思うと同時に、最後に参加して頂いた皆様からも熱心なご意見やご質問をいただいたことに、これからの伊那の将来に対する熱意が感じられ当初の目的が少しでも実現できたことと自己満足しています。
出来れば、今後もこうした企画を実行することにより、伊那の皆様と共に伊那市に対する希望と夢のベクトルを共有出来る機会をもっと作り出せたら良いな・・と感じた今シンポジウムでした。