日本一と世界一
- ほんの出来事
毎年年末に慰労も兼ねた研修?旅行を実践しています。今年は、旅行新聞社が主催する「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」の総合部門1位を31年間!連続で認定されている加賀屋に行ってまいりました。
経営者たるもの、日本一のサービス、ホスピタリティーとはどの様なものか自分で体感する事が大切であると考え、ここ10年以上続けている恒例行事です。
日本だけでなく、世界でトップクラスの観光地やサービスにも触れる事も大切ではないかと、海外に行く折りには少し無理してもそうした観光地やホテルに寄るようにしています。
今まで行ったホテルで最も印象的だったのが、2006年に行ったイタリア、ポルトフィーノのホテル・スプレンディッドでした。
私のお気に入りの画家である笹倉鉄平が描いた「ポルトフィーノの雨」が好きで、いつかポルトフィーノに行ってみたいとずっと思っていたのを実現出来たのが2006年、伊那商工会議所の「新規ビジョン委員会」のスイス・イタリア研修旅行でのことでした。ポルトフィーノを調べていたらそこはコモ湖を上回るイタリア屈指の観光地で、そこに世界中のセレブの隠れ家的存在のホテルがあることを知り、是非ともそこに泊まろうと云うことになったのです。
「なるほど、世界の一流とはこういう処のことをいうのだな」・・と、体感出来たことが、先の研修旅行での最大の成果でした。
価格の高さはまあ~、しかたないにしても世界の著名人のほとんどが訪れているホテルの魅力の一端が垣間見れました。
それは、地理的な不便さの中、プライバシーを守り、限られた人たちのみ享受出来る空間と時間が保障されているからなのです。
今回、日本一と称される加賀屋は本当にその称号に相応しいのか?を実証する旅でのありました。
・・・で、結論からすると、それ以上でもなく、それ以下でもない・・といったところでありましょうか。
設備や仲居さんの心遣いは申し分ありませんでした。そして食事時、突然襖が開き若い料理人さんがそこで旬のカニを炭火で焼いてくれたことには感動しましたが、ある意味想定内といった演出なのかぁ~・・との感覚で過ごしました。
でも、一番感じたのは出て来る食事の「日本人でしか味わえないビミョーな味の豊潤さ」と「日本人でしか味わえない侘び寂び」を2時間の食事の中で堪能出来たのです。当然板前さんの不断の精進の賜物である事は確かですが、このような奥深い満足感を演出してくれた影の立役者が、料理を引き立てる器の存在だったのです。
ここ能登を代表する素晴らしい輪島塗の器が惜しみなく供されたのが、私にとっての感動でした。塗りの深みと姿の良さと色合いが絶妙に料理と調和して、料理の味を一層引き立ててくれていました。
という訳で、翌日は予定していませんでしたが、急遽輪島に行って本場の漆器を見に行こうと云うことになったのです。