マテーラ
- わくわく旅行
マテーラにやって来ました。
ここはサッシ(Sassi)と呼ばれる洞窟住居で有名な街で、先史時代からの歴史の中、旧石器時代からこの洞窟住居群は造られ、戦後は農地解放前の小作農民が住み今は世界遺産に登録されている街です。
その異様な住空間は悲しみにあふれ、抜けるような青空の下でもこの一帯だけは長い歴史の中、さまざまな理由でここに住まざるを得なかった多くの人達のすすり泣く声がこのサッシの中に入り込むと聞こえてくるようでした。
15分毎に奏でられるサッシを取囲むように存在する少なくとも5つ以上ある教会の鐘の音は、涙がかれた後の喉の潤いを満たす事は出来なくても、ここの住民への耳からの応援歌となっていたようでした。
私は今まで幾つか世界遺産にふれる機会がありましたが、ここマテーラに来てはじめて、美しさと歴史的価値以外の心象風景で登録されたであろう、世界遺産に新鮮な驚きと感覚を感じました。
いままで体験した世界遺産の旅は必ずまた来てみたいと思うような場所ばかりでしたが、ここだけは今後自分からはリクエストに入れないだろうなと感じた、そんなマイナスパワーが横溢したところでした。