我が家にはここ十数年「羊くん」がいます。
とは言っても、本物の羊くんでは無く、十年以上も前横浜の元町を散策していた折、偶然店先にいた彼（or彼女）と目が合ってしまったのです。
その少し哀愁？を帯びたつぶらな瞳と遭遇してしまうと、そのまま無視してその場を立ち去ることはできませんでした。

・・・という訳で、それから彼（わたしは勝手に♂の子だと決めています）は我が家の中庭に居座って、来る人に愛嬌をふりまいてくれていました。
その彼が、今年になって大変な辛酸を味わうことになってしまったのです。それは、今年の春先から何者かが深夜～早朝にかけて彼を蹴飛ばし、朝出勤の際いつものように「行ってくるよ」と声をかける時に、週に一回の割合で淋しくコロがっている姿が見かけられるようになったのです。下の写真のように耳は欠け顎は傷だらけで、日に日に満身創痍の様相を呈して来ました。何も云わない彼ですが、その目は「なんとかしてよ～」と訴えているようで居たたまれない心情でこの夏を迎えました。

心無い何者かの仕業には違いありませんが、防犯カメラも設置していなかったものですから犯人を特定することは出来ませんでした。

しかし、余りの痛々しい彼の姿を何とか元どおりにしてあげなければと一念発起し、今回「羊くん」のリペアに取り組んだのでした。
昔とった杵柄（←古い言い回しだなぁ～）で、学生時代大変お世話になったリキテックスのモデリングペースト（これは固まるとサンドペーパーも効かないくらい強固な皮膜を造ってくれます）を購入し、傷つき欠けた部分を肉盛りした後、全身をモデリングペーストで強化し、空洞だったお腹の空間にシリコンを注入して今回の「羊くん再生作業」は完了いたしました。

元の中庭の定位置に戻してあげると、夏の強烈な日差しの中に光り輝く凛とした彼の姿が戻っていたのでした。
今は、以前のような不届き者が現れないことを祈りつつ、注意深く彼の挙動を見守っている今日この頃です。