東京は両国にある江戸東京博物館で開催されている「大浮世絵展」を観てまいりました。
自分も歳なのかなぁ～？・・と感じるのは、若い頃は全く興味の無かった浮世絵に最近関心が高まってきていることです。以前は古臭い単なる版画であるとの浅い認識でしかなかったのが、印象派の画家たちが日本の浮世絵に多大な影響を得ていたことが現地の美術館に行ってみて初めて体感したことと、視点を変えてみると浮世絵は「江戸のポップカルチャー」だとも捉えることが出来ることから、時代の先を行っていた世界に誇れる日本文化であることが、今にしてやっと理解できたからだと思います。

そして今回、江戸東京博物館に於いて日本と世界各国に散らばった約440点もの代表的な浮世絵が一堂に会するとあっては、見ないわけにはまいりません。
丁度めっきの研究会がありましたので、その前後の時間を利用してこの浮世絵展をはじめ幾つかの展覧会を見てくることが出来ました。
江戸時代前期（17世紀）の「浮世絵前夜」から始まり、元禄～宝暦期（17世紀後半~18世紀前半）の「浮世絵のあけぼの」、明和～安永期（18世紀後半）の「錦絵の誕生」、天明～寛政文化期の「浮世絵の黄金期」、文政・天保～安政期（19世紀前半）の「浮世絵のさらなる展開」そして幕末~近代（19世紀後半~20世紀）の「新たなステージへ」と時代を追った展示で、浮世絵の全体像が一覧出来る素晴らしい企画でした。
歌麿、写楽、北斎、広重といった天才画家はじめ、初めて耳にする画家たちの作品も目にすることが出来、より一層浮世絵の世界の奥深さに触れられ、これからは今までとは違った視点で浮世絵を見ることが出来そうです。