ジブリの立体建造物展
- 密かな楽しみ
東京に用事があり行って来ましたが、ついで?に今、江戸東京たてもの園で開催中の「ジブリの立体建造物展」を観てまいりました。
アニメの世界は大変だなぁ・・と、漠然とは思っていましたが、2007年の「ジブリの絵職人 男鹿和雄展」と2011年の「スタジオジブリ・レイアウト展」、そして今回の「ジブリの立体建造物展」を観て、改めてその奥行きの深さと膨大な労力と情熱に圧倒されました。
茶の間で寝っ転がって「面白いね」とか「こんなことが出来たらいいね」とか夢の世界を楽しんでいる裏側では、それらの作品を送り出すためにこんな事までやっていると解ってしまうと、これからは居ずまいを正して、しっかりと製作者の皆さんの隠れた気合いを汲み取らなくては申し訳ないような気がいたします。
「となりのトトロ」の和洋折衷な草壁家は、「サツキとメイの家」として2005年に開催された愛知万博において最も人気のあったパビリオンであったことは記憶に新しいのですが、驚くのはその間取りとディテールが原作に詳細に示されており、即実物の家として再現されていたことです。
兎角アニメや物語の世界では、空想や想像の世界でストーリーが展開されるのが当たり前と思っていた私としては、そこまでシチュエーションをこだわって作品を昇華していたことに感動せざるを得ませんでした。
今回の展示で圧巻だったのは、やはり「千と千尋の神隠し」の油屋の模型でしたが、「アルプスの少女 ハイジ」のジオラマも素晴らしかったですし、先の「サツキとメイの家」も、スケールは小さかったけど「まっくろくろすけ」まで2階に居てとても楽しい展示会でした。
そして何より良かったのは、全てのスタジオジブリ作品の「背景画」「イメージボード」「美術設定」「美術ボード」「場面スチール」「セル画」を観ることが出来たことです。
今回の展示会は、宮崎駿氏のアニメに対する真摯な取組みと覚悟を垣間見ることが出来ました。
ここまで宮崎駿の凄さを知ってしまうと、次回は三鷹にある「三鷹の森ジブリ美術館」に行って、より深く宮崎駿の世界を知らなければならないとの使命感?を新たにいたしました。