ルネ・マグリット展
- 密かな楽しみ
- ほんの出来事
念願のルネ・マグリット展を観ることが出来ました。明日、羽田からドイツに向かうに当たって出発時間が早かったので前泊する事になり、お陰で新国立美術館で開催されていた「ルネ・マグリット展」を観る機会が出来たのです。
幼年期に母親と自殺という形で離別したマグリットは、屈曲した少年時代を送っても理解できるところですが、幼馴染みで美人のジョルジュエット・ベルジュと19歳の時偶然!再会し、生涯の伴侶を得たことで、芸術家と家庭人の両立を果たし得たのだと思います。キュミズムやキリコに影響を受けつつ、時代時代によってその画風を模索しながらの画家活動だったようです。
パリの時代に多くの画家たちから刺激を得、果敢に自己に挑戦したものの、当時のシュルレアリズム運動の理論的指導者であった大物アンドレ・ブルトンと仲違いしたことからパリに居れなくなり、経済的な事情も重なり故郷のベルギーに帰り、再度商業画家としての再スタートを切ったのでした。でも、そうした時代であっても自分なりの作風を模索し続けた結果、途中の第二次大戦中の不評のルノワール風の時代を経て、あのマグリットが完成したのです。大戦後のマグリットは周囲の評価も得、己のインスピレーションの欲するままに自由にその作風を開花していったのでした。
過去、様々な場面でマグリットの絵に触れてはきましたが、今回初めて本物と会えることが出来、その素晴らしさに感激いたしました。帰りがけのマグリット販売コーナーで記念として今回の資料を入手しはしましたが、その横にあった2万円近くした分厚いマグリット画集が気になったものの、明日のフライトに携行するわけにもいかず、帰ってからネットで購入しようと、又楽しみが増えた展示会でした。