サン工業株式会社

社長のひとり言

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似て非なるモノ

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一昨年の9月以来の上海にトランジットしました。上海には数回訪れていますが今回初めて青空と清々しい空気の上海に触れることが出来、けっこう良い街であることを認識することが出来たのが収穫です。


今夜は上海経由で中国は泰安市の☆☆☆☆☆のホテルーRAMADA PLAZA に宿泊しました。
さすが五つ星ホテルだけあって、施設はもとより備品も充実していて地方都市とは言え日本の一流ホテルと引けを取らないところに今日の中国の勢いと恐怖に似た感情を今回中国に来て改めてを感じてしまいました。

アメニティーも心配り出来ていて、一瞬すでに日本は追い越されてしまった!と焦りました。
その一点がこの櫛でありました。
櫛えいごで云えばComb、それがどーした?と問われそうですが、頭髪が限りなく地肌に近くなってくると残された髪の毛をなるべく均等に割り振ってバーコードにならないよう整えるのがとても重要な日課になって来るのです。

数えられるほどの毛髪を均等に割り振りするのに、櫛の性能?=という表現は適切ではないですね・・と、云うよりそうした人に対する思いやりのある櫛・・にはほとんどお目にかかりません。
デザインや材質に気をかけているものはまだ良いほうで、その大半が過去の延長線上の繰り返しで、なんで変えにゃきゃいけないの?・・といった開き直った製品がほとんどなのです。

でも、京王プラザにあった(過去形なのが淋しい・・今でも部屋によってはあるのかな?)櫛は優れモノで、折りたたみ式のそれの片方は荒仕上げ用で、その対極にあるのが繊細な仕上げ用になっておりその二つのパーツが折りたたまれるといとも優雅なコンパクトな櫛に変身するのです。その櫛を貰いたさに京王プラザを予約したことがあったくらいです。
でも、ここ数年その髪が薄い人の心を掴んだ櫛が部屋には置いてありません。なんの変哲も無い従来の安くおざなりの櫛に取って代わっているのです。これは今の収縮している日本を象徴しているようでコストを抑える第一候補に挙がりすぐさま満場一致でコスト削減の象徴になったに違いありません。


手前がMade in JAPAN  奥のが中国製 

ところが!今日中国の田舎の五つ星ホテルでその髪が淋しい男子に心優しい櫛に再会したのです。
あの、京王プラザにあった櫛と瓜二つのフォルムの櫛がうやうやしくプラスティックのカバーにつつまれてそこにあったのです。そこで迂闊にもわたしは一瞬日本は中国に追い越されてしまったと早とちりをしてしまったのです。

・・・しかし、胸躍らせながら再会を果たしたはずの櫛はわたしの期待した櫛とは全く違ったものでした。フォルムは同じですが材質が全く異なっておったのと、髪の薄い人間が求める繊細なピッチが乱れており又、荒仕上げのパーツもふぞろでとても喜んで使えるような一品ではありませんでした。
たぶん、中国のホテルの担当者が日本のホテルに視察に赴いた折、こんな素晴らしい櫛が日本で活用されていることを形ばかりコピーし業者に作らせたのがこの櫛になったのでしょう。

でも、形は似ていても使用する人の想いと目的を理解しないでコピーするとこんなモノになってしまうのだな~・・と改めて認識いたしました。
・・・ということは、これからの日本もすてたものではなく、ホスピタリティーと滅私奉公の精神を改めて確認することによっていくらでも活路はあるということがわかりました。

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