赤トンボ
- 思いついたまま
もう過ぎてしまった季節のことですが、ここ数年いつものお気に入りコースをウォーキングしていて気にかかることがありました。
秋も深まったこの田んぼと畑の中を歩いていると、昔懐かしい臭いがしてきます。
それはあの堆肥の鼻をつくような、むせ返るような、鼻が曲がってしまいそうな・・・一言でいえばウンコの強烈な臭いなのです。
しかし、この香りはわたしがご幼少の頃から慣れ親しんできた臭いですので、決して好きではありませんが懐かしい香りなのです。
・・・小さい頃のこのような原体験は大人になった今でも、こうした匂いや風景や音に触れた瞬間、タイムスリップしてあの頃の自分に帰ることが出来るのです。
でも、この堆肥の臭いとセットであった「赤トンボ」の姿が今はどこにも見当たらないのです。
昔は夕暮れのある時間になると、夕陽に赤く彩られた空一面にあの赤トンボの飛ぶ光景が見られたものでした。
夕陽の赤とトンボのシッポの赤が調和して、なんとものどかな田舎の風景がそこにはありました。
ですから今、秋の里山を歩いていても何かバランスが悪く、冬に向う寒さをより一層肌身に感じてしまうのでしょう。
たぶん農薬の影響で駆逐されてしまったのでしょうが寂しい限りです。
いつの日にかまた昔の元気な赤トンボの集団に囲まれて歩いてみたい・・・地球環境に関心が高まりつつある今、自然回帰を心がけていけば地球も以前のような元気さを取り戻せるような気がして、早くそんな日が来ればいいなと思っています。