180°SOUTH
- 密かな楽しみ
どこからの情報か忘れましたが、この映画のことが私の中の片隅に引っかかっていました。
先の情報でこの映画が今上映されている事を知り、捜したところ長野県ではなんと!佐久の映画館しか上映されていないのでした。
そして、とてもマイナーな映画であるが故、上映期間もとても短く今週末には打ち切りになるとのことです。
たぶん少し待てばDVDになるかも知れませんが、なったとしても気付かない内に葬られるような気がして、上映時間が夜の7時40分からのこともあり仕事を終えた後、片道2時間の距離を車を飛ばして観に行ってきました。
車で往復4時間弱かけて1時間半の映画を観た訳で、それなりの価値があったの?と問われれば???としか言いようがありません。
ふつう映画に求めるのは、思いもよらない展開やあり得ない映像であったりの非日常の異空間を浮遊できる楽しみや、ちょっとシリアスな深みにはまれる意外性に「こんな世界があったんだ!とかこんな考え方をする事もあるんだ!」の異次元な世界観を体験出来る楽しみがほとんどだと思います。
でも、この映画はそうした演出されたドラマは全くなく、ただひたすら未知の自然と空間を体感したい若者が行動したドキュメント映画なのです。
パタゴニアへ旅した2人のアメリカ人、イヴォン・シュイナードとダグ・トンプキンスは帰国後それぞれ小さな会社を設立。それが「patagonia」と「THE NORTH FACE」、今では世界中の誰もが知っているアウトドア・ブランドの最高峰だ。アメリカにおける自然派志向のアウトドア・カルチャーは2人の伝説の旅から生まれたものだった。
・・のフレーズに魅かれ、石橋を叩いてしか渡れない自分と、この映画で語られるであろう、明日の事を語るより今したい事を成すことが出来た彼らへの憧れと共に、過去に残して来てしまった残渣とこれからの自分を見つめ直せるかもしれないとの期待を込めての映画鑑賞だったのです。
これからの残された人生、彼らの様な行動は出来なくても同じような高みに向かった時間を過ごしたいと思います。