ディオニソスの夕食
- わくわく旅行
パルテノン宮殿を望む一等地にそのレストランはあります。その名は「Dyonisos」、ギリシア神話に登場する豊穣とブドウ酒と酩酊の神名からとったレストランです。
レストランの価格はもちろん料理の美味しさにありますが、ギリシャに来てそこからのロケーションもレストランの価値を左右する重要な要素であることを実感しました。
サントニー二のレストラン「Koukoumavlos」もそうでしたが、食事をしながら夕方の気だるい光景から徐々に周囲の色が限りなくモノクロから青を含んだ黒に変化するのと、対照的にそこから街や遺跡が素敵な色合いを含んだ光と共に浮かび上がってくる変化を楽しむことが出来るのです。
初めての海外旅行の初日、旅行社の計らいでロンドンの「Maxim's」で夕食をいただきましたが、初めてのフルコースに驚くと共に、2時間!もかけて食事する経験はそれまでありません。時差の影響をモロにうけ、居眠りの中モーローとしながら、まだ食事が終わらないのか苦痛に感じた経験をしました。そして、虚ろな目で周囲を見渡すとそこには、楽しく談笑しながら食事を楽しんでいる紳士淑女がいました。そのとき初めて2時間もかけて食事を楽しむ人種がいることに新しい世界を発見したような気になったものです。
しかし、人生長い経験の中からこうした食事の楽しみ方を体験してくる中、今回のような旅先での食事の大切さも理解してきます。
遠い昔の懐かしい想いでと共に、このような充実した時間を味わうことが出来ることに感慨深いものを感じた夕食でした。