板谷波山の夢みたもの
- 密かな楽しみ
- ほんの出来事
東京・丸の内にある出光美術館で開催されていた板谷波山の陶芸展「板谷波山の夢みたもの」を観てまいりました。
陶芸家として初めて文化勲章を受章し、人間国宝に推挙されたが辞退した明治の陶芸家である板谷波山の陶器を目にしたのは今回が初めてでした。明治の東京美術学校(現、東京芸術大学)には陶芸科がなかった為、彫刻科に進んだことで単なる陶芸家ではなく、薄肉彫り等の技法を駆使し新たな陶芸の世界を創り出し、又葆光彩磁の手法を確立した芸術家であった事も初めて知ることが出来ました。
この展示会に行ったもう一つの理由は、昨年読んで感銘を受けた百田尚樹の「海賊とよばれた男」のモデルであった出光差三の出光興産の美術館であり、また160点以上の展示物のほとんどが出光差三が集めたものであったからです。
一企業の経営者として石油を通じ、身を挺し「大義と高い志」で日本の独立と誇りを切り開いてきた素晴らしい経営者が経営力と共にこうした審美眼があったことに驚きと憧れに似た気持ちがあり、自然と足が向かったのでした。
東京・三鷹に出光興産の協力で立てられたと云う「中近東文化センター付属美術館」の存在も知ったので、何時かそちらにも出向いてみたいと思います。