風立ちぬ
- 密かな楽しみ
- ほんの出来事
宮崎駿の5年ぶりのアニメを観てまいりました。
今回の新作にワクワクすると共に、映画のテーマが私の大好きなヒコーキであることを予告編で知っていたものですので、封切り日が来るのを心待ちにしていたのです。
内容は、実在の航空技術者である堀越二郎をモデルに描いた宮崎アニメ初の自伝?モノの映画であるため、子供向けではなく大人向けの作品になっています。ですから、この作品は広く共感を得、多くの世代層にウケル映画にはならないのではないでしょうか?私の大好きな映画になってはいますが・・・。
何より残念だったのは、主人公の声の吹き替えがミスマッチと思えたことです。これは「となりのトトロ」の時も感じたのですが、主人公の男性の喋りに抑揚がなく淡々としていすぎる為、せっかくのアニメに躍動感や親しみが希薄になってしまったことです。多分、こうした雰囲気のしゃべりが宮崎監督の好みなのでしょう・・が。
でも、堀辰雄の小説「風立ちぬ」から着想を得たこの作品は、その意図するところはある程度観客には通じるものと思いました。
時代背景にある大正から昭和にかけて、日本が貧困にあえぐ三流国から一流国に脱皮しようとする当時の志を高く掲げた日本男児の姿は、今のゆで蛙状態の日本の若者に一石を投じたのではないでしょうか?
そんな淡い希望を感じた、とても淡い映画を観ることが出来ました。