信ジラレナイ・・トリプルAの紋所
- 思いついたまま
ベトナムはハイフォンに行った事は先のブログに書きましたが、そこで泊ったのは「KIM THANH Hotel」という、会社の定宿として皆が使っていたホテルです。一応三ツ星ホテルとのことでしたが、あまり期待はしてはいなかったものの、予想どおり窓はあっても全く陽が当たらず昼間でも真っ暗な部屋で、しかも一日2回は停電し、その間は携帯電話の僅かな灯りを頼りに行動するしかないホテルでしたので、その他のサービスや施設は想像つくと思います。
いろんな国のいろんなホテルに泊りましたが、ホテルの格付けの目安である三つ星とか五つ星とかの基準はどこにあるのでしょうか?
先進国を標準にすると途上国の星の付け方は2ランクほど甘く表示されているような気がいたします。つまり、ホテルの格付けには国際的な基準となる物がまだ確率していないのです。
昨年11月にミシュランガイド東京が発表され、三つ星レストランが8軒ノミネートされ評判になった事は耳に新しい事です。
ミシュランガイドは1900年に発刊されて以来、特にレストラン・ホテルを評価・案内している赤い表紙のガイドに定評があります。それぞれの評価は快適さとサービスそれにコストパフォーマンスを加えた調査員によるものとされていますが、基本的には匿名性の調査の中、聞き取りを行う「訪問調査」も組み合わされるそうです。
ところで我が国は、昨年からの「赤福」「白い恋人」「船場吉兆」の不祥事から、老舗=歴史=安心といった図式が音を立てて崩れ去った今、何を信じればいいのか国民全員が疑心暗鬼になっているように思います。
ミシュランガイドは長い歴史の中獲得した公正性で、その評価を絶対のものにしていると思いますが、気になる食材の調達・流通・管理まで追跡調査されているのか興味あるところです。
さて、本題はここのところ切迫している世界同時経済危機のことに移ります。
ホテルの五つ星、ミシュランの三ツ星に匹敵するのは、経済界においてはムーディーズやスタンダード&プアーズといった民間の信用格付け機関による評価がそれこそスタンダードになっています。
企業や団体や組織がその評価に一喜一憂せざるを得ないほどの影響力(数年前、日本の格付けが降格したことに苦言を呈した大臣もいました)をもっていた、それらの格付け機関の信頼性が今回のサブプライム問題を契機に大きく崩れ去りました。
わたしも保険に入る時、保険会社からウチはAA+だから大丈夫ですとか、トリプルAだから安心ですと言われ、よく解らないがそんな信頼性のある機関のお墨付き(水戸黄門のこの紋所が眼に入らぬか!)であれば「ははー!」とひれ伏してしまい、国際的に認知されている機関の評価を疑うことさえありませんでした。
今回のリーマン・ブラザーズやAIGの件にしても、少し前までは格付け機関による最高の評価を得ていた企業が破綻したり政府の管理下に置かれるようになるとは、誰も想像できなかったのではないでしょうか。
今まで、政府の言うことを聞いていれば安心とか、ガイドブックに掲載されている評価が絶対だと思い込んでいた日本人は、昨今の大きな時代の変化に過去を整理し、未来の道筋は自分のスタンダードで評価軸を定めていく必要があるのではないかと思います。