「美しき挑発 レンピッカ」展
- 密かな楽しみ
例年、年頭には各地の展覧会のスケジュールに目を通し観てみたい企画をチェックするのですが、今年の目玉はこの「美しき挑発 レンピッカ」展でした。
今回、丁度東京に来る機会がありましたので、はじめてBunkamuraにやって来て、この展示会を鑑賞する事が出来ました。
わたしは、レンピッカという人と彼女の作品は展覧会のスケジュールをチェックするときまで全く知りませんでした。しかし、チェックの際その作風を観た時、今まで経験したことが無い衝撃があったのです。
そして、その衝撃のとおりアールデコを彷彿とさせる画風を自分のものとし、世界恐慌から第2次大戦後までの躁乱の時代を社交界の象徴として生き抜いた女性であり、とかく軋轢が予想された時代の変革の中で、翻弄されつつ自我を求め続けた女性の姿がそこにありました。
才色兼備という言葉は正しく彼女のために用意された言葉の様な気がしますが、それが即幸せに繋がるかどうかはギモンです。
しかし、人生60年近く過ごしてきてもこの様な新たな驚きと感動をもたらしてくれるアーティストがいることに人生の奥深さを感じつつ、このような出会いに感謝したくなる今日この頃であります。