バベルの塔
- 密かな楽しみ
上野の都美術館で開催されているブリューゲルの「バベルの塔展」に行って来ました。
サブタイトルが「16世紀ネーデルラントの至宝~ボスを超えて」とあるようにネーデルラント伝統の「写実的な描写を駆使しながらも、現実には存在しない奇想の世界を描きだしたヒエロニムス・ボスの初来日の2点「放浪者」と「聖クリストフォロス」が今回の大きな目玉の作品をして展示されていました。
今回の企画展は、先のヒエロニムス・ボスの2作品と、何と云ってもブリューゲルの「バベルの塔」が最大の見所で、その3作品を中心にその時代に関わった画家とそれらの作品が彩りを添えると云った、割り切り方が特長でした。
しかし、ボスの作品もブリューゲルの作品もそうでしたが、とても細かい描写が特長で、よーく目を凝らして作品と向き合わないと、それらの絵に描かれているいろいろな作者からのメッセージが受け止められないので、じっくり鑑賞する必要がある展覧会なのです。
面白かったのは、東京芸大の学生たちによる3Dをつかった映像による解説がとても解りやすかったのと、想像以上に小さかったバベルの塔の作品を数倍に拡大して再現した大きな作品がとても観易く、また違った視点から彼の作品を楽しむことが出来たのです。