PFOAとめっきの関係って?
- 用語解説
求められるPFOA(ペルフルオロオクタン酸)対応
めっき薬品には多くの化学薬品や材料が使用されますが、いわゆる潤滑めっき(潤滑無電解ニッケルめっき、代表例:カニフロンなど)に含まれるフッ素樹脂には、原材料として使用されていないものの、製造工程で副次的にPFOAが生成します。
このPFOAは自然界で分解されず、生態系の濃縮によって人体に蓄積し、さまざまな健康上の悪影響をもたらすことがわかってきました。そこで欧州を主体として、このPFOAやその関連物質の使用や含有量を規制する法令が整備され、欧州ではREACH規制によって制限がかかりました。日本では化審法での審議が完了していないため、最終的にどのようになるのかは見えていませんが、おそらく欧州と同様の規制がかかるものと考えられています。
潤滑めっきの多くはPFOA対応が必要
潤滑めっきの多くは原材料のテフロン粉末に規制値以上のPFOAを含んでいると考えられており、その多くが海外で生産されていることから、今後、入手が困難になります。そこで、めっき薬品メーカー各社は、原材料にPFOAをまったく含んでいないPFOAフリーや含有量を規制値以下まで落としたPFOAレスのテフロン粉末を用いた代替品への移行を進めています。
サン工業ではPFOA,PFOS対応品の量産を開始
サン工業では、現在使用している潤滑無電解ニッケルめっき(カニフロン)中のPFOAについて、原材料のテフロン粉末の段階でも規制値を下回るタイプへの代替を完了しております。(2021年4月以降、PFOA,PFOS対応品の量産を開始しております)
サンプル品のめっきも受け付けておりますので、PFOA対応でお困りの際はぜひお問い合わせください。
より詳しい資料もご用意しております。ダウンロードしてぜひご覧ください。
PFOA対策(Q&A)の資料ダウンロード
めっきのサンプル・試作についてお気軽にご相談ください。
サン工業ではサンプルめっきのご相談をお受けしております。
めっきの開発案件、改善案件など、お客様の課題解決にお役立てください。
*内容によってはお受けできないものもございます。要ご相談にてお願いいたします
めっき紹介(PFOA,PFOS対応品)
PTFE含有率20%Volの潤滑無電解ニッケルめっきの量産を開始しました。
無電解ニッケルめっきの皮膜中にテフロン(PTFE)の微粒子を分散複合させ、めっき皮膜の滑り性や撥水性を向上させたPTFE複合無電解ニッケルめっきで、テフロン粒子の含有量は体積比率でおおよそ20%です。
サン工業で従来から処理している低含有タイプに比べて、摩擦係数が低く、滑り性の要求される製品に適しています。
詳しくはこちらをご覧ください。
PTFE複合無電解ニッケルめっき(PTFE20~24%Vol)※PFOA,PFOS対応品)
めっき技術(PFOA,PFOS対応品)
顧客のお困りごと
- テフロン潤滑無電解ニッケルめっきのPFOA対策品をトライしたが、見た目の光沢がなく凸凹している。
PFOA対策を行ったテフロン潤滑無電解ニッケルめっきは従来品と外観や管理ポイントが違うケースが多く発生するため、多くの薬品を試験しテフロン粒子の分散状態や外観を開発課で事前に評価し最適のものを選定することができ、サン工業ではPTFE含有率20%Volの潤滑無電解ニッケルめっきの量産を開始しました。
詳しくはこちらをご覧ください。
PFOA対策のテフロン潤滑無電解ニッケルめっきで外観不良が発生してしまう
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