アルミニウム材料の前処理での板厚減少
- 機能
無電解ニッケルめっきは、製品の表面や穴内部なども均一な膜厚で処理できることで、寸法の厳しい製品(穴寸法だとはめ合い公差のあるような製品)の処理に向いています。しかし、特にアルミニウムの場合には、前工程で酸化皮膜除去の目的で行われる「エッチング」工程で、素材が大きく溶解してしまい、製品自体の寸法が変化してしまいます。
下のグラフは、酸性エッチング剤に浸漬した時間によって、どのように板厚が減少するかを実験した際のものですが、約1分の浸漬時間でも約4μmの板厚が減少してしまうことがわかります。
ただし、エッチングを弱くすると、酸化皮膜が残ってしまったり、アンカー効果が十分に得られないことから、密着不良を生じる可能性もあります。エッチング量を見越して加工寸法を決めるケースもありますが、液濃度はある程度の幅があるため、毎回同じ寸法変化量にならないこともあります。寸法公差の厳しい製品の場合には、あらかじめ、営業担当にご相談いただけれればと思いますし、アルマイトの場合には、エッチングを無しにして処理をしてみる、というのも方法の一つです。