厚付けシュウ酸アルマイトの寸法変化量はどのくらいでしょうか?
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アルマイトの寸法変化量については問い合わせいただくことも多いことから、実際に実験して確認してみました。文献などでは、成長層(元の加工面よりも厚くなる厚み)と浸透層(元の加工面よりも素材側に浸透している厚み)の比率について、1:2というところから5:5というところまで様々です。これは、例えば30μmの厚みでアルマイトを処理した場合に、
1:2とした場合:成長層➡10μm(➡穴径の変化量としては、-20μm)
5:5とした場合:成長層➡15μm(➡穴径の変化量としては、-30μm)
とH7公差など、はめあい公差が指定されているアルミ製品においては結構大きな差となってしまいます。ですので、成長層と浸透層の比率を知ったうえで、加工の寸法を決めておく必要があるのです。
サン工業で処理するシュウ酸アルマイトで約50μm付けた場合のこの比率を断面観察で実測して評価しました。サンプルは一部をマスキングしておき、マスキング部(アルマイトの付かない部分)とアルマイトがついているところの境界を観察して、成長層と浸透層の厚みから比率を計算しています。

上の写真の場合、成長層が18.4μm、浸透層が31.0μmですので、比率としては、
成長層:浸透層 = 18.4:31.0 ≒ 2:3
ということがわかりました。
ですので、アルマイト皮膜として30μmを狙った場合には、成長層が30×40%=12μmとなります。したがって、穴径の寸法変化量として、24μm程度となります。
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