硫酸アルマイトとシュウ酸アルマイトの違いってなに?(アルミへのメッキ加工)
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アルマイトは、アルミニウムの表面に陽極酸化皮膜(成分は酸化アルミニウム)を電気的な酸化力を利用して成膜する表面処理です。1980年以降にいろいろな浴で研究や試験が行われてきましたが、現在は、硫酸をベースにした「硫酸浴」とシュウ酸をベースにした「シュウ酸浴」の2種類が主に使用されています。
ついている皮膜は、どちらも酸化アルミニウムなのですが、シュウ酸アルマイトの方が一般的には硬度も高く、耐摩耗性が優れています。これは、皮膜の構造に由来しているのですが、専門用語でいうと、バリア層というものが、シュウ酸アルマイトの方が厚くできるようになっています。イメージとしては、ハチの巣の穴のサイズが、シュウ酸の方が小さいということになります。穴が小さく、壁の部分の厚みが厚くなりますので、結果として、「硬い」「摩耗に強い」ということになってくるのです。
また、外観色にも違いがあって、硫酸アルマイトは処理するときの温度が高いとほぼ透明(アルミサッシの色)ですが、温度を下げると、黒味を帯びてきます。シュウ酸アルマイトは、いわゆるキツネ色からグリーンの色調です。昔の黄色いヤカンなどはシュウ酸アルマイトといわれています。
下の写真は、A6063材にアルマイト処理を行ったものです。左が硫酸浴、右がシュウ酸浴で膜厚は30µm。膜厚が厚くなると、当然ですが、色も濃くなっていきます。
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