潤滑無電解ニッケルめっき(PTFE複合無電解ニッケル)にはどういうふうにテフロンが取り込まれている?
- 機能
潤滑無電解ニッケルめっき(PTFE複合無電解ニッケル、テフロン潤滑めっきなど別名多数)は、無電解ニッケルめっきの皮膜中にPTFEの微粒子がスイカの種のように分散複合してめっきされている皮膜です、とお客様には説明することが多いのですが、なかなかイメージするのが難しいです。
そこで、実際にサン工業で処理しているPTFE20%の潤滑無電解ニッケルめっき(トップニコジット)の皮膜の断面観察を行い、電子顕微鏡写真(5,000倍)を撮影しました。
写真中で黒っぽい点々が皮膜中にPTFEが埋まっているところです。このように、皮膜の中に分散した状態で埋まっていますので、例えば、めっき表面が摩耗した場合でも、下層にあるPTFEの微粒子が顔を出し、PTFE特有の良好な滑り性や低摩擦摩耗、潤滑性が維持されるのです。
参考までに、めっき表面も細かい凹みが無数に点在しており、相手部材との接触面積を少なくすることで、初期摩擦係数を下げるという効果も持っています(写真は100倍観察写真)。