黒いめっきでも黒さが違う??
- 黒色メッキ
サン工業は黒いめっきが得意です!という営業を行っており、現在、社内の量産表面処理としては、「黒色クロムめっき(六価)」「黒ニッケルめっき」「黒無電解ニッケルめっき」「亜鉛めっき六価黒クロメート(※現在量産対応は行っておりません)」「亜鉛めっき三価黒クロメート」「亜鉛ニッケル合金めっき三価黒クロメート」「黒色クロムめっき(三価)」の7種類のめっきが可能で、併せて特殊な自動車部品向けで鉄の黒染め処理(※特定製品専用ラインになります)までを行っています。
そんな黒色めっきですが、下の図にあるように、黒くする仕組みや組成はまったくことなっており、一口に「黒」といってもその性質や色目は様々です。
色調においては下の写真のように、黒無電解ニッケルめっき(右)と黒ニッケル(左)ではまったくことなった外観であり、黒ニッケルは黒というよりもガンメタリックな外観であることが分かります。
一般には、色の違いについては色差計などを用いて数値化して評価することがありますので、サン工業での黒色めっきについて、Lab指標にて黒さの評価をしてみました。
L値:+になるほど明るい外観となる
a値:+になるほど赤色に、-になるほど緑色になる
b値:+になるほど黄色に、-になるほど青色になる
このグラフから読み取れるのは、
〇L値から、黒クロムがもっとも光っていない。黒ニッケルはもっとも光っている(光沢Niめっきを下地にしています)
〇a値から、黒ニッケルや黒無電解Niは赤っぽい黒。逆に黒クロムは緑っぽい黒。
〇b値から、黒ニッケルや黒無電解は黄色っぽい黒、逆に黒クロムは青っぽい黒。
〇黒という点では、亜鉛めっきの三価黒クロメートが色味がなく黒い。
ということことです。
確かに、黒クロムめっきは、金属クロムや酸化クロムの微粒子が集合した形で成膜しており、デジタルマイクロスコープで約5000倍まで拡大すると、青や緑(一部赤っぽい)微粒子の集合体であることが見て取れると思います。