アルミニウムの陽極酸化処理(アルマイト)とは
- アルマイト
陽極酸化(アルマイト)とは
その名の通り、アルミニウムを硫酸溶液中で、陽極(プラス極)にして電気を流すことで、表面にアルミニウムの酸化皮膜(酸化アルミニウム)を生成させる工業的な表面処理手法です。
アルマイト皮膜について
水の電気分解は陽極(+極)で酸素ガス、陰極(-極)で水素ガスが発生します。
陽極で発生した酸素ガスとアルミニウムが反応して酸化アルミニウムができています。
これが皮膜となって、アルマイト皮膜となります。
アルマイト皮膜とめっきとの違い
めっき
- 素材のアルミニウムの上に、別の金属の皮膜を新たに付け足す
アルマイト皮膜
- 素材のアルミニウムが酸化アルミニウムに変化して皮膜となる
再メッキはほとんど寸法を変化させずに対応できますが、アルマイト皮膜を剥離すると、もとの寸法よりも薄くなってしまうので、要注意です※。
※重さが軽くなる、厚みが薄くなる、直径が細くなる、内径が大きくなる
何がすごいか?アルマイト?
〇1929年に日本で発見された表面処理!
「アルマイト」はその時に日本で付けられた名前で、国際的には「陽極酸化(Anodizeing)」と呼ばれます。
〇皮膜が硬い!
皮膜の成分がサファイヤとほぼ同じで、硬質アルマイトはニッケルめっきと同等の硬さ。
※通常のアルマイト(20℃)と硬質アルマイト(5℃)では処理温度が違います。
〇希少金属を使用しない、再生が簡単、無害である!
資源も豊富で、SDG’s的にはもっともすぐれた材料です。
〇染色でいろんな色を付けることができる!
特殊な皮膜構造を応用して、染料を用いて様々に着色できます。
錆びにつよい!強い耐食性が特徴
塩水噴霧試験では、無電解ニッケルめっきよりも錆びが発生しません。特に屋外での使用には抜群に強い耐食性を持ちます。
アルマイト処理はなぜ着色できる?
アルマイト処理の表面には下記の拡大写真のように非常に小さい孔が空いています。
この穴に染料を染み込ませることで、さまざまな色に着色することができます。
染色後は、この孔を塞ぐ処理(封孔処理)を行うことで、色抜けを防止します。
硬質アルマイトの処理工程
「脱脂」→「酸処理」→「アルマイト」→「封孔」→「乾燥」の順で処理が進みます。
サン工業のアルマイトライン
2014年に硬質アルマイトの試作研究開発用でラインを設置し、その後、錠剤包装機や自動車ブレーキ部品の量産を実施中(染色槽は未設置)。
同じライン内には、ロボット向けのマグネシウム化成処理、アルミニウム素材向けの三価クロム化成処理槽を設置しています。
アルミニウムへのめっきサンプル・試作
サン工業ではサンプルめっきのご相談をお受けしております。
めっきの開発案件、改善案件など、お客様の課題解決にお役立てください。
*内容によってはお受けできないものもございます。要ご相談にてお願いいたします
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