めっきザラの原因と対策(デスマット)
- アルミニウム
めっきの不具合の一つに「ザラ」と呼ばれるものがあります。
これは、通常平滑なめっき面に細かい凸が発生し、一部もしくは全面が「ムラ」(光沢ムラ、外観ムラ)に見えたり、局所的に引っかかるところができてしまうものです。
めっきの前処理工程には、この「ザラ」の原因のひとつである「スマット」を除去する工程を何種類か組み込んであり、発生を未然に防止しています。
めっきのスマット除去工程(デスマット工程)
特にアルミニウムの場合には下記のように素材によって発生するスマット成分が異なるため、複数のスマット除去工程(これをデスマット工程と呼びます)が必要になります。
A2000系材料 ➡ 銅成分スマット
A5000系材料 ➡ マグネシウム、ケイ素成分スマット
A6000系材料 ➡ ケイ素成分スマット
素材中のスマットとスマット除去後の写真
下の写真は、アルミニウムのA6000系のエッチング工程(表面の酸化物除去)後に発生した素材中のスマットと、スマット除去後の写真です。ケイ素は通常の酸やアルカリには溶解しないため、フッ酸系の薬剤で処理することで、デスマットすることが可能です。