電解研磨は、電気を利用することで製品表面を溶解させる処理です。
めっきは表面に金属の膜を作るのに対し、電解研磨は製品を溶かすため、処理をするほど減寸します。
表面の光沢化や加工のバリ取り目的等で使用されます。
電解研磨された表面は、加工変質層が除去されている上、表面のクロム率が上昇するため、耐食性も良好になります。
基本特性
耐摩耗性 | 耐熱性 | 耐食性 | 耐薬品性 | 装飾性 | 潤滑性 | 密着性 | 電気伝達性 | 寸法精度 |
〇 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | - | △ | △ |
特徴
特徴1表面凹凸を除去
先端に電気が集中するという電気特性や、溶解反応時にできる表面の高抵抗層の物理特性を利用し、表面の凹凸を無くして平滑面を得る研磨ができます。
若干のうねりは残るものの、エッチングされ、Raが1μm以上あった面を0.6μmまで研磨した実績もあります。
また、加工バリの除去やエッジを丸くするためにも使用することができます。
耐食性の向上
ステンレス中の鉄が溶解することで、表面の組成比が変化してクロム比率が上昇し、耐食性を上げることができます。
実際、電解研磨したものの方が腐食の発生が遅くなったという評価をいただいた実績があります。
めっき設備
タイプ | 対応サイズ | 対応重量 |
---|---|---|
ラック | 400×1000×600H | 10kg |
対応可能素材
オーステナイトステンレス、フェライトステンレス
(快削系の素材は快削成分が溶解して外観ムラになることがあり注意が必要です)
想定用途
搬送用ロール、サニタリー部品、医薬製造装置、機械装置部品、自動車部品など