銀めっき(Ag)は電気伝導性・抗菌性・ボンディング性などに優れていることから、電子部品、装飾品、食器など幅広く利用されて、最近では、より多くの電流を流す必要のある電気自動車のコネクターなどに硬質の銀めっきが用いられるケースが増えてきています。
こういった銀めっきはいわゆる電気を用いた電気銀めっきなのですが、セラミックパッケージや円筒形状の内側に銀めっきが欲しい場合には使用することができません。
そこで、サン工業では、電気を使用しない無電解銀めっき(Ag)を、置換銀タイプ※及び還元銀厚付けタイプで対応しております。特に還元厚付けタイプは、通常は不可能といわれる5μm程度の膜厚までめっきすることができますので、銀が必要な内径部などに対して、あたらしい応用が期待できます。
※置換銀タイプは銅素材に対してのみめっき処理が可能です。
基本特性
装飾性 | 耐摩耗性 | 耐熱性 | 耐食性 | 耐薬品性 | はんだ付け性 | 潤滑性 | 密着性 | |
△ | △ | 〇 | 〇 | 〇 | ◎ | 〇 | ◎ |
特徴
特徴1次世代半導体への応用
次世代半導体の冷却装置においては、置換銀めっきの薄付けタイプが有効とされています。サン工業の置換銀めっきは必要十分な薄さで均一な外観を提供できます。 なお、置換銀めっきは銅素材に対してのみめっき可能です。
特徴2還元銀めっき(厚付けタイプ)
市販の無電解銀めっき薬品では約1μmの厚みまでしかめっきできませんでしたが、薬品の改良やめっき工法の確立によって、約5μm程度の厚付けが可能となりました。内径にめっきしたい場合やパイプにめっきしたい場合への応用が広がります。置換銀と違い、下地に無電解ニッケルめっきを施すことで、銅素材のほか、ステンレスやアルミニウムなど、さまざまの素材にめっきすることが可能です。 皮膜は柔らかく無光沢で、電気接点やバスバーに用いた場合、接点の抵抗を軽減させることも可能になります。
めっき設備
対応可能素材
銅(置換銀は銅素材のみ可能) 鉄 ステンレス 真鍮 アルミニウム
想定用途
自動車コネクター 大容量端子 セラミックパッケージ 冷却基板 など