寺社仏閣などの装飾、金メダル、アクセサリーなどがまず思い浮かびますが、様々な電子製品にも使われています。
金めっき(Au)はキラキラの装飾性だけでなく、耐腐食性、耐酸化性、電気・熱の良導体、低い接触抵抗を備え、はんだ付け性(濡れ性)やボンディング性がよいという性質も兼ね備えている金属です。そのため、幅広い分野に使われる唯一のめっきです。資源としての限りがある中、需要もあるため価格も他のめっきに比べ高くなります。
基本特性
耐摩耗性 | 耐熱性 | 耐食性 | 耐薬品性 | 装飾性 | 潤滑性 | 密着性 | 電気伝達性 | 寸法精度 |
△~〇 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | ◎ | ◎ | 〇 |
特徴
特徴1優れた耐食性
金は性質が変化しない非常に安定した金属です。
一般的に酸やアルカリに侵されることがない数少ない金属であり、非常に酸化されにくく、性質が変化しないという特徴があるため、装飾や様々な機能性を必要とする製品に金めっき(Au)が用いられます。
良好なはんだづけ性
ニッケルや銅は表面に酸化皮膜が生成してしまうため、金属と金属を接合するはんだつけの場合は、酸化皮膜を介した接合となり、強度や信頼性が低下します。
ニッケルめっき上に金めっき(Au)を薄く付けることで、ニッケル表面の酸化の抑制が可能となることに加え、金自体がほとんど酸化や腐食を受けない金属であるため、長期間にわたって良好なはんだ付け性を維持させることができます。
※短期間であれば、すずめっきも良好なはんだ付け性を維持できますが、すずの場合はウィスカによる回路短絡のリスクが付きまといますので、注意が必要です。
高い電気伝導性
金は銀、銅に次いで電気伝導性の高い金属です。
銀や銅は酸化や硫化などの腐食によって電気伝導性が劣化しますが、金は性質が変化しにくいことから長期にわたる性能維持が期待できるため、多くの接点箇所のめっきに金めっき(Au)が利用されています。
めっき設備
浴種 | タイプ | 対応サイズ(mm) | 対応重量 | |
---|---|---|---|---|
(1) | 硬質金(金コバルト合金めっき) | 手動ラック | 300×150×400H | 10kg |
(2) | 軟質金(純金めっき) | 手動ラック | 400×100×200H | 5kg |
対応可能素材
(1)銅・銅合金、ステンレス系、アルミ系など
(2)銅・銅合金、ステンレス系、アルミ系など
想定用途
はんだ接合部品、電気接点部品、電子基板、半導体、基板接合部品、アクセサリー、楽器などの装飾