サン工業では、硬質アルマイト処理として、硫酸浴硬質アルマイト処理やシュウ酸アルマイトの量産を行っています。硬質アルマイト自体が、Hv400前後と硬く、金属同士の凝着摩耗が起きにくいことから、耐摩耗性に優れた滑り性のよい表面処理ですが、さらに滑り性を向上させたい、摩擦係数を下げたい、という要望にお応えして潤滑アルマイトの試作処理を期間限定で行うことにしました。試作結果が良好な場合は、そのまま量産への移行も対応可能ですので、この機会にぜひお問い合わせください。
潤滑アルマイトは、テフロンアルマイトやPTFE潤滑アルマイト、カチラス処理など様々の呼び名で呼ばれることがありますが、基本的には、下の写真のように、硬質アルマイトの表面に、直径0.2μm前後のPTFEの微粒子を特殊な工法で付着させたものです。このPTFEは非常に柔らかいため、初期摩耗時につぶれて表面に粘着し、以降も良好な滑り性と低い摩擦係数を維持します。
膜厚は通常の硬質アルマイトと同様30μm程度の厚付けも対応可能で、皮膜の硬さもA5052やA6061であれば、Hv400程度まで高硬度化することが可能です。
基本特性
耐摩耗性 | 耐熱性 | 耐食性 | 耐薬品性 | 装飾性 | 非粘着性 | 潤滑性 | 密着性 | 電気伝達性 | 寸法精度 |
◎ | 〇 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | × | 〇 |
特徴
特徴1硬質アルマイトの耐摩耗性向上
特徴2滑り性の向上
初期摩擦係数を硬質アルマイトの0.4から約0.25まで低減し、滑り性を向上させることができます。
めっき設備
タイプ | 対応サイズ | 対応重量 |
ラック | 500×200×500H | 15kg |
対応可能素材
主に使用される材料は、もともと硬い材料であるA7075や一般的な材料であるA5052やA6061です。
※A2017は硬質アルマイト自体がきれいに生成されないため加工不可です。
想定用途
軸受け
スプール、スリーブ系の摺動部品
スライダー
テーブルブロック など滑り性や耐摩耗性、非粘着特性を要求したい製品